構造物から試験用の試料を採る作業です。
コアサンプル・はつり・ドリル粉の3通りがあり、そのあと何の試験をするかで採り方が決まります。
現地での非破壊試験だけでは、推定できることに限りがあります。実際のコンクリートを持ち帰って試験すれば、強度も、劣化の原因も、実測値として押さえられます。
採った試料でできる主な試験は次のとおりです。1本のコアから複数の試験に回せるため、採取計画の立て方で本数を減らせます。

コアボーリングマシンで、円柱状のコンクリートを丸ごと切り取ります。採取は JIS A 1107 に従います。いちばん多くの情報が得られる採り方で、強度の実測ができるのはこの方法だけです。
採ったコアは、表面から2cmごとにスライス・粉砕調整して、圧縮強度試験・中性化深さ測定・気泡間隔係数測定・塩化物イオン濃度測定などに使います。
直径は試験の目的に応じて決めます。圧縮強度試験では、粗骨材の最大寸法の3倍以上の直径が必要です。構造物には穴が残るため、採取位置は事前の協議で決め、採取後は無収縮モルタル等で復旧します。
電動ピックなどでコンクリートをはつり出し、試料の採取や鉄筋の直接観察を行います。コア採取ほど深くは採れませんが、鉄筋の腐食状態をその場で目視できるのが大きな利点です。
はつった面はそのまま中性化深さの測定面としても使えます。鉄筋腐食度調査で、非破壊の推定結果を確かめるときにもこの方法を使います。

電動ドリルで削孔し、表面から2cmごとに削孔粉を集めます。粉を分析できる粒径に調整して、塩化物イオン濃度測定などに使います。
孔の径が小さく、構造物への影響がいちばん小さい方法です。測定点を多く取れるので、塩分の侵入状況を面的に押さえたいときに向きます。
削孔粉を落としながら試験液を含ませたろ紙で受ければ、中性化深さの測定にもなります(中性化深さ測定の解説)。
コアサンプルの使いみち| 採り方 | 採れる試料 | 構造物への影響 | 向いている場面 |
|---|---|---|---|
| コアサンプル | 円柱状のコンクリート | 大きい | 圧縮強度の実測が要るとき、複数の試験をまとめて行うとき |
| はつり法 | 塊状のコンクリート | 中くらい | 鉄筋の腐食状態も同時に確認したいとき |
| ドリル法 | 削孔粉 | 小さい | 塩分の分布を面的に押さえたいとき |
鉄筋探査です。コアドリルやピックが鉄筋を切ってしまうと、構造物の耐力が落ちるだけでなく、採った試料も試験に使えなくなります。
電磁誘導法または電磁波レーダー法で、かぶり部分の鉄筋位置と配筋間隔を把握し、鉄筋を外した位置に採取点を決めます。詳しくは鉄筋探査・かぶり厚測定の解説をご覧ください。
この作業で用いる規格
採取の本数と箇所、復旧の要否で費用と期間が決まります。そのあと何を知りたいかを先に教えていただけると、必要最小限の採取で済むよう計画できます。試験の一覧と単位は試験・解析のページにまとめています。
現地での採取から試験室での各種試験、報告書の作成まで、有資格者が一貫して対応します。有資格者の一覧もご覧ください。