コンクリートが凍害に耐えられるかどうかを調べる試験です。
硬化したコンクリートの中の気泡のつき方を顕微鏡で測る「気泡間隔係数測定」と、実際に凍らせて融かすことを繰り返す「凍結融解試験」があります。
コンクリートの中には必ず水が入っています。この水が凍ると体積が約9%増え、周りのコンクリートを内側から押し広げます。融ければ元に戻りますが、これが何百回も繰り返されると、少しずつ組織が壊れていきます。
表面がぼろぼろと剥がれるスケーリング、骨材の周りがはじけるポップアウト、網目状のひび割れ。これらが凍害の典型的な出方です。寒冷地の構造物、水がかりのある部材、凍結防止剤を撒く道路では特に起きやすくなります。

凍害に強いコンクリートを作るには、あらかじめ細かい空気を練り混ぜておきます(AE剤)。中の水が凍って膨らんだとき、この気泡が逃げ場になって圧力を逃がしてくれるからです。
大事なのは空気の量ではなく散らばり方です。同じ空気量でも、大きな泡がまばらにあるより、小さな泡が細かく散っているほうが効きます。この「散らばり具合」を数値にしたものが気泡間隔係数です。
コンクリート中のどの点から見ても、いちばん近い気泡までの距離がどれくらいか。これを平均した値で、小さいほど凍害に強いことを示します。
採取したコアを切断して研磨し、顕微鏡のステージに載せます。試料の上を一定間隔の直線(トラバース線)に沿って走査し、線が気泡を横切った長さと、ペーストを横切った長さを積算します。当社では倍率20倍で測定します。
得られた積算値から、空気量・気泡の比表面積・気泡間隔係数を計算します。測定は ASTM C457 に従います。研磨面の仕上がりが結果を左右するため、試料の調整に手間をかけます。
判定は、規格や指針に示された目安値と比べて行います。「この配合が凍害に耐えられるか」を、実際に凍らせる前に判断できるのが、この試験の利点です。

供試体を凍結と融解に繰り返しさらし、どれだけ劣化するかを実際に確かめる試験です。相対動弾性係数と質量の変化を追い、耐久性指数を求めます。
A法は水中で凍結・水中で融解、B法は気中で凍結・水中で融解します。想定する環境に近いほうを選びます。当社ではどちらにも対応しています。
300サイクルまで回すのが一般的で、期間は4ヶ月程度かかります。急ぐ案件では、先に気泡間隔係数で見当をつけておく進め方もあります。
| 試験 | 分かること | 期間 | 向いている場面 |
|---|---|---|---|
| 気泡間隔係数測定(ASTM C457) | 気泡の散らばり方=凍害に耐える素地があるか | 短い | 既設構造物の診断、配合の確認、急ぐとき |
| 凍結融解試験(JIS A 1148) | 実際にどれだけ劣化するか | 4ヶ月程度 | 新しい配合の性能確認、実証 |
既設構造物の凍害を調べる場合は、気泡間隔係数が中心になります。すでに造られたコンクリートを300サイクル凍らせても、これから起きることの予測にはなりにくいためです。
既設構造物を調べる場合は、まずコアを採ります。採取は JIS A 1107 に従い、気泡間隔係数測定は1〜3本/組が目安です。凍結融解試験も1〜3本/組です。
採る場所の選び方が結果を左右します。水がかりの有無、日当たり、凍結防止剤の影響を受ける面かどうかで、同じ構造物でも傷み方が違うからです。変状が出ている箇所と、出ていない箇所の両方から採ると比較ができます。採取の詳細はコア採取・試料採取の解説をご覧ください。
この試験で用いる規格
試料の本数で費用と期間が決まります。凍結融解試験は4ヶ月程度かかるため、工程に余裕をもってご相談ください。試験の一覧と単位は試験・解析のページにまとめています。
コアの採取から試験、報告書の作成まで、茅ヶ崎市の自社試験室で一貫して対応します。有資格者の一覧もご覧ください。