コンクリートの中性化が、かぶり部分のどこまで進んでいるかを測る調査です。
鉄筋が錆び始める時期を見積もり、補修の要否と時期を判断するための基礎データになります。
打ち込んだ直後のコンクリートは、セメントの水和で生じる水酸化カルシウムによって pH 12〜13 の強いアルカリ性を示します。これが空気中の二酸化炭素と反応して炭酸カルシウムに変わり、アルカリ性が失われていく現象を中性化といいます。
中性化そのものがコンクリートを弱くするわけではありません。問題になるのは中の鉄筋です。鉄筋はアルカリ性の環境では表面に不動態皮膜ができて錆びませんが、中性化がかぶり部分まで達するとこの皮膜が壊れ、鉄筋が錆び始めます。錆びた鉄筋は体積が膨張し、かぶりコンクリートのひび割れ・剥離・剥落につながります。
中性化深さは、鉄筋がいつ錆び始めるかを予測するための指標です。かぶり厚さと併せて見ることで、劣化の進行予測ができます。

測定面にフェノールフタレイン1%エタノール溶液(JIS K 8006)を噴霧します。pH 8.2〜10.0 以上のアルカリ側では赤紫色に発色し、中性化した部分は無色のままです。表面から発色点までの距離を測ります。
赤紫色になったところは、アルカリ性が残っている健全な部分です。色がつかない範囲が中性化した部分です。ピンク色が劣化を示していると誤解されることがありますが、逆です。

はつり法
コンクリート表面をハンマーの先端や鏨(たがね)で少量はつり、その面に試験液を噴霧して測ります。はつり出した面で鉄筋の腐食状態を同時に確認できるのが利点です。鉄筋位置を把握したうえで、はつる箇所を決めます。手ばつり・電動ピック・エアーピックがあり、この順に作業効率が上がります。
ドリル法
電動ドリルで削孔し、落下する削孔粉を試験液を含ませたろ紙で受けます。赤紫色に変わった時点で削孔を止め、その孔の深さを中性化深さとします。構造物への損傷が小さく、多くの点を短時間で測れるため、面的な分布を把握したいときに向きます。
コア供試体法
採取したコアを割裂し、割裂面に試験液を噴霧して測ります。圧縮強度試験や塩化物イオン含有量試験と併せて実施する場合に用います。コア採取は原則として JIS A 1107、割裂は JIS A 1113 に従います。
| 方法 | 構造物への影響 | 向いている場面 |
|---|---|---|
| はつり法 | 中くらい | 鉄筋の腐食状態も同時に確認したいとき |
| ドリル法 | 小さい | 測定点を多く取り、分布を把握したいとき |
| コア供試体法 | 大きい | 強度試験・塩分試験と併せて行うとき |

この調査で用いる規格
ここまでは既設構造物の中性化がどこまで進んだかを測る調査です。これから使う配合が中性化しやすいかどうかを調べたい場合は、室内の促進中性化試験(JIS A 1153)を行います。二酸化炭素濃度を高めた環境で養生し、中性化の進みやすさを比較します。促進期間は6ヶ月程度、供試体は3本/組が目安です。
試験の一覧と単位は試験・解析のページにまとめています。
現地調査は構造物の規模と測定点数、室内試験は試料の数で費用と期間が決まります。供試体の受け渡し方は試験によって異なりますので、まずご相談ください。
調査から報告書の作成、補修に向けた提案まで、有資格者が一貫して対応します。有資格者の一覧もご覧ください。