コンクリートの圧縮強度が、設計で見込んだ値をいまも保っているかを確かめる調査です。
構造物を壊さずに推定する方法と、コアを採って実際に壊して測る方法があり、目的と精度に応じて使い分けます。
コンクリートの圧縮強度は、構造物がどれだけの荷重に耐えられるかを決める基本の値です。経年による中性化や凍害、アルカリシリカ反応、火災などを受けると、見た目に大きな変状がなくても強度が落ちていることがあります。
また、設計図書が残っていない古い構造物では、そもそも当初の強度が分からないことがあります。補修や補強の設計、荷重制限の判断、更新の時期を決めるために、いまの強度を数字で押さえておく必要があります。
非破壊試験は、構造物に穴を開けずに表面から強度を推定します。測定そのものが短時間で済み、測定点を多く取れるため、強度のばらつきや弱い箇所の見当をつけるのに向いています。

反発硬度法(JIS A 1155)
シュミットハンマーなどで表面を打撃し、跳ね返りの大きさ(反発度)から強度を推定します。機材が小さく、足場の限られた場所でも測れます。測っているのは表面近くの硬さなので、表面が中性化していたり、湿っていたり、仕上げ材が残っていると値が変わります。測定面の下処理が結果を左右します。
衝撃弾性波法(NDIS 2426)
ハンマーや鋼球による打撃、あるいは励磁コイルによる磁気的な方法で弾性波を発生させ、その波形を解析します。反発硬度法が表面を見るのに対し、弾性波は部材の内部を通るため、内部の状態まで含めた評価ができます。ひび割れ深さの測定にも同じ原理を使います。
超音波法(NDIS 2426-1)
コンクリート中を伝わる超音波の音速から強度を推定します。音速は密度や内部の空隙の影響を受けるため、ひび割れや空隙が多いと音速が落ちます。送受信センサーを部材の両面に当てられる場合に精度が上がります。
構造物からコアを採取し、試験室の載荷試験機で実際に圧縮して破壊します。推定ではなく実測値が得られるため、最も確実です。コアの採取は JIS A 1107、圧縮強度試験は JIS A 1108 に従います。
当社の試験室には最大 5000kN の載荷試験機があり、最大で直径450mm・長さ900mm までの供試体に対応します。採取したコアは、圧縮強度のほか中性化深さ・塩化物イオン濃度・気泡間隔係数など複数の試験に回せます。コア採取・試料採取の解説もあわせてご覧ください。
欠点は、構造物に直径100mm 前後の穴が残ることです。鉄筋を切らないよう、採取前に鉄筋探査でかぶり部分の配筋を把握します。採取後は無収縮モルタル等で復旧します。
| 方法 | 得られる値 | 構造物への影響 | 向いている場面 |
|---|---|---|---|
| 反発硬度法 | 推定値(表面付近) | ほぼ無し | 測定点を多く取り、ばらつきを見たいとき |
| 衝撃弾性波法 | 推定値(内部を含む) | ほぼ無し | 内部の状態も含めて評価したいとき |
| 超音波法 | 推定値(内部を含む) | ほぼ無し | 両面にセンサーを当てられるとき |
| コアによる圧縮強度試験 | 実測値 | 大きい(穴が残る) | 設計・補強の判断に確実な値が要るとき |
実務では、非破壊試験で全体を広く押さえ、代表点でコアを採って実測値と突き合わせる組み合わせがよく使われます。非破壊試験の推定式をその構造物のコンクリートに合わせて補正でき、少ないコア本数で全体の強度分布が描けます。
公共工事での強度測定は、国土交通省 大臣官房技術調査課の「微破壊・非破壊試験によるコンクリート構造物の強度測定要領」に準拠して実施します。測定方法、測定箇所の数、使用機材の管理、報告書に記載すべき事項などが定められています。
強度測定とあわせて依頼の多い試験です。コンクリートと表面被覆材(塗膜や断面修復材)が、どれだけの力で剥がれるかを建研式により測定します。補修後の出来形確認や、既存の被覆材の健全性確認に用います。
この調査で用いる規格・要領
現地調査は構造物の規模と測定点数、室内試験は供試体の本数で費用と期間が決まります。非破壊試験だけで済ませたいのか、コアによる実測値まで必要なのかで進め方が変わりますので、調査の目的をお聞かせください。
現地での測定から試験室での圧縮強度試験、報告書の作成まで、有資格者が一貫して対応します。有資格者の一覧もご覧ください。
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